マニュアル動画は、「1本に1つの手順」(たとえば「機械を立ち上げる」「部品を取り替える」のように、1つの目的で終わる手順)で作ると、見る人が必要な所だけを探して見られます。撮る前に、手順を文字で書き出し、どこで間違えやすいかを決めてから撮ります。手元や画面は、見る人が自分で作業する時と同じ向きで撮り、音が出せない場所でも分かるように字幕を付けます。
この記事では、動画にする手順の選び方、撮る前に決めること、撮り方、字幕、長さの分け方を書きます。書いているのは、株式会社ヒルウラ代表の高取です。ヒルウラは、人の編集チームで累計30,000本以上の動画を納品してきた会社で、作業の手順やよくある質問を説明する動画も、企画から撮影・編集まで請け負っています。
どんな手順を、動画にすると役に立つ?
全部の手順を動画にする必要はありません。紙や文章で足りる物は文章のままにし、動画にすると伝わりやすい物から選びます。
| 動画に向く手順 | 文章のままでよい手順 |
|---|---|
| 手の動き・力の入れ具合・角度で結果が変わる | 項目を順に確かめるだけのチェック |
| 画面のどこを押すかが分かりにくい操作 | 決まった値を入力するだけの作業 |
| 同じ説明を、何度もくり返している | めったに使わない手順 |
| 新しく入った人が、毎回同じ所でつまずく | 中身がよく変わる手順(変わるたびに撮り直しになる) |
選ぶ時に役に立つのは、「同じ説明を何度もしている所」です。よく聞かれる質問や、教える人が毎回横について見せている作業は、動画にすると、教える側の時間が減りやすいと考えています(高取の感覚です)。
中身がよく変わる手順は、変わるたびに撮り直しになります。変わりやすい所は文章にして、変わりにくい手の動きだけを動画にする、という分け方もあります。
撮る前に、何を決める?

撮影の日に「どう撮るか」を考えると、撮り忘れや撮り直しが増えます。流れは図のとおりです。1の手順を選んだら、撮る前に、次の4つを決めておきます。
| 決めること | 中身 |
|---|---|
| 誰が見るか | 新しく入った人か、慣れた人の見直しか、お客様か |
| どこで見るか | 作業の場でスマホで見るか、席のパソコンで見るか |
| 手順の書き出し | 手順を1行ずつ文字にしたもの。この文字がそのまま字幕の元になる |
| 間違えやすい所 | 新しい人がつまずく所。動画の中で、ここだけは止めて見せる |
いちばん大事なのは、手順を文字で書き出すことです。社内に手順書があれば、それを元にしてかまいません。書き出すと、手順の抜けや、人によってやり方が違う所が見つかります。やり方が人によって違うまま撮ると、動画を見た人と、横で教える人の言うことが食い違います。撮る前に、どのやり方を正しいとするかを決めておきます。
ヒルウラでも、編集者には最初に編集マニュアルを渡し、カット・字幕・音声などの基準を先に学んでもらっています。基準が文字になっていると、教える人が変わっても、同じことを伝えられます。社内の担当者を育てる順番は、社内の動画担当を1人目から育てるにはに書いています。
手元や画面は、どう撮る?
マニュアル動画は、見る人が「自分でやる時と同じ見え方」で撮ると分かりやすくなります。
| 撮る物 | 撮り方 |
|---|---|
| 手元の作業 | 作業する人の肩の後ろか上から、自分でやる時と同じ向きで撮る。向かい合って撮ると左右が反対に見えるので避ける |
| 機械や道具 | 全体を少し見せてから、手元に寄る。どこの作業かが分かってから細かい所を見せる |
| パソコンの操作 | 画面を録画する。押す所が小さい時は、編集でその所を大きく見せるか、丸などの印を付ける |
| 間違えやすい所 | 正しいやり方と、間違えた時の様子を並べて見せる |
画面の操作を録る時は、通知や、見せてはいけない情報が映らないようにしてから録ります。社内の名前やお客様の情報が映った所は、編集で隠すより、録る前に消しておく方が確実です。
手元を撮る時は、明るさが足りないと、細かい所が見えにくくなります。社内で撮る時の場所・音・光の最低限は、社内で動画を撮る時のコツに書いています。
字幕は、どう付ける?
マニュアル動画は、工場や店、事務所など、音を出しにくい場所で見られることもあります。字幕だけでも手順が分かるように作ります。
- 撮る前に書き出した手順の文字を、そのまま字幕の元にする
- 1つの字幕には、1つの動作だけを書く(「ふたを開ける」「ねじを右に回す」)
- 間違えやすい所は、色や枠で目立たせる
- 数字・ボタンの名前・部品の名前は、画面に映る表記と同じにする
話している声をそのまま字幕にすると、「えー」のような言葉や、「ここをこうして」のように画面を見ないと分からない言葉が残ります。マニュアル動画では、話した言葉より、手順の書き出しを字幕にする方が伝わりやすいと考えています(高取の感覚です)。声を入れる時は、話す言葉も手順の書き出しに合わせておくと、字幕と声がずれません。字幕を自動で付ける方法は、YouTubeの字幕をAIで自動で付けるにはにまとめています。
1本ごとに、どう分ける?
長さは秒数で決めるより、「1本に1つの手順」で分けると決めやすくなります(秒数や分数の目安は、手順の中身で大きく変わるので、ここでは書きません)。1本に全部の手順を入れると、見る人は必要な所を探すために、何度も早送りすることになります。
| 分け方 | 向く場面 |
|---|---|
| 1本に1つの手順 | 作業の場で、その手順だけを見直したい時 |
| 全体の流れを1本+手順ごとに1本ずつ | 新しく入った人に、まず全体を見せたい時 |
| よくある質問ごとに1本 | お客様からの問い合わせに、動画で答えたい時 |
手順ごとに分けておくと、やり方が変わった時も、その1本だけを撮り直せば済みます。どの動画がどの手順かが分かるように、題名の付け方と置き場所も決めておきます。
出す前に、何を確かめる?
出す前に、その手順をまだやったことがない人に、動画だけを見て作業してもらいます。手が止まった所が、直す所です。作った人や慣れた人が見ると、分かりにくい所に気づきにくくなります。
社内だけで見る動画は、見られる人の範囲も決めておきます。社外に出してはいけない手順や情報が入っていないか、出す前に確かめる人を1人決めておくと安心です。出す前の確かめ方は、動画の内製化が失敗する5つの原因と、つまずかない進め方にも書いています。
よくある質問
スマホで撮っても作れますか?
作れます。大事なのは、スマホを固定して手ぶれを抑えること、見る人と同じ向きで撮ること、手元が見える明るさです。ヒルウラでも、社内で撮った素材の編集だけのご依頼を請け負っています。
話す人の声は入れた方がいいですか?
音を出せる場所で見るなら、声があると、力の入れ具合などのコツが伝わりやすくなります。音を出しにくい場所で見るなら、字幕だけで分かる作りを先に考えます。声を入れる時も、字幕だけで手順が分かるように作っておくと、どちらの場所でも使えます。
手順が変わったら、全部作り直しですか?
1本に1つの手順で分けておけば、変わった手順の動画だけを撮り直せば済みます。最初から手順ごとに分けて作るのがおすすめです。
社外に出さない、社内だけの動画も頼めますか?
頼めます。ヒルウラでは、新人研修や業務の手順など、社内だけで使う動画も制作の対象です。見られる人の範囲や、映してはいけない物の扱いは、作る前に確かめます。研修全体を動画にする時の分け方は、社内研修の動画の作り方に書いています。
何本かまとめて頼めますか?
頼めます。まとめて作る形として、ヒルウラでは、業務マニュアルやよくある質問の動画を、必要に応じてサービス紹介や採用の動画と組み合わせ、5本を一式で作る形もご提案しています。料金は料金表でご確認ください。
相談するには
ヒルウラは、作業の手順やよくある質問を説明する動画を、企画・撮影・編集まで請け負っています。社内だけで使う動画もご相談いただけます。料金は料金表にまとめています。どの手順を動画にしたいか、誰が見るかをフォームからお送りください。
撮った動画から字幕や効果音まで入った初稿をAIで作る道具「AI動画編集くん」も作っています。正式リリースの案内は公式LINEで先行してお送りします。