社内の動画編集を効率化するには、まず「どこに時間がかかっているか」を分け、編集そのものより前後にある、探す・迷う・作り直す時間から減らすのが近道です。手を速くするより、やり直しを減らす方が効きます。
この記事では、編集の時間がかかる所、それを減らす5つの手、直しのやり取りを短くする頼み方を書きます。書いているのは、株式会社ヒルウラ代表の高取です。ヒルウラは、人の編集チームで累計30,000本以上の動画を納品してきた会社で、初稿をAIで作る道具「AI動画編集くん」を作っています。
編集の時間は、どこにかかる?
1本の動画ができるまでの時間は、編集ソフトを触っている時間だけではありません。社内で作る時は、次のような所にも時間が取られます。
| 時間がかかる所 | よくある様子 |
|---|---|
| 素材を探す | 撮った動画やロゴがどこにあるか分からず、人に聞いて回る |
| 見た目を考える | 字幕の色や大きさを、1本ごとに一から決めている |
| 切る・字幕を入れる | 間や言い直しを1か所ずつ切り、字幕を打ち込む |
| 作り直す | 全部仕上げた後で「思っていたのと違う」と言われる |
| 直しのやり取り | 「後半のあの辺」のような伝え方で、どこを直すかを探し合う |
このうち、編集の腕で速くなるのは「切る・字幕を入れる」だけです。ほかは、決まりと進め方で減らせます。
どこで時間を減らせる?
ヒルウラが社内の編集を見てきた中で、効きやすいのは次の5つです。

1. 素材の置き場を決める
撮った動画、ロゴ、使ってよい曲や画像の置き場を、1か所に決めます。フォルダの名前も「日付_動画の名前」のようにそろえておくと、誰が編集しても探さずに済みます。使ってはいけない素材は、別の場所に分けておきます。
2. 字幕の型を作っておく
字幕の色・大きさ・位置、強調する時の見た目を、型として決めておきます。型があれば、1本ごとに見た目を考える時間がなくなり、誰が作っても見た目がそろいます。型は、見本の画面を1枚作って共有するのが分かりやすいです。強調する言葉の選び方は、テロップで大事な言葉を強調するにはに書いています。
3. 撮影をまとめる
撮影を1本ずつ行うと、場所・照明・話す人の予定を毎回そろえる手間がかかります。何本分かを1日にまとめて撮ると、その手間が1回で済み、編集も同じ条件の素材を続けて進められます。
4. 冒頭で一度見る
全部仕上げてから見せると、方向が違った時に全部やり直しになります。最初の数分を編集した所で、一度見てもらいます。ヒルウラでは、冒頭の3分を編集した所で必ず確かめてもらい、テンポとデザインをそろえてから残りを進めています(3分より短い動画は全編で確かめます)。
5. 初稿をAIで作る
カットや字幕を入れた最初の下書きの動画(初稿)までをAIで作り、人は見て直す所に時間を使うやり方もあります。間や言い直しを1か所ずつ切る作業や、字幕を打ち込む作業が減ります。くわしくは動画編集の初稿をAIで自動化するにはに書いています。
直しのやり取りを短くするには?
直しのやり取りが長くなるのは、「どこを」「どう」直すかが伝わらないからです。直しは、秒と一緒に、1か所ずつ書きます。
| 伝わりにくい頼み方 | 伝わる頼み方 |
|---|---|
| 後半のテロップ、もう少し目立たせて | 3:12の「無料」の字幕を、黄色で大きく |
| 全体的にテンポを良くして | 1:40〜2:05の間を詰めて |
| BGMが気になる | 0:30〜1:00のBGMを、声より小さく |
社内の意見をまとめて伝える人を1人決めておくと、別々の人から別々の直しが届くことも防げます。
ヒルウラが続けてきたこと
ヒルウラでは、編集のマニュアル・研修・作った物へのフィードバックを用意し、チームで品質をそろえてきました。上で書いた字幕の型や冒頭での確認も、その中で続けてきたやり方です。
速い人を1人置くより、決まりを書き残し、確かめる場面を決めておく方が、人が変わっても速さが続きます。社内で作る時のつまずきは、動画の内製化が失敗する5つの原因にもまとめています。
よくある質問
何から始めればいいですか?
素材の置き場と字幕の型からがおすすめです。どちらもお金をかけずに始められ、一度決めれば次の1本から効きます。
編集ソフトを替えれば速くなりますか?
切る・字幕を入れる所は速くなることがあります。ただ、探す・迷う・作り直す時間はソフトでは減りません。決まりと進め方を先に整える方が効きます。
AIを入れる時に、気をつけることは?
AIの初稿をそのまま出さず、人が見て直す所を決めておくことです。社内に入れる手順は、AI動画編集を社内に導入するにはに書いています。ショートを社内で回す時の役割は、ショート動画を社内で作れるようにするにはにまとめています。
相談するには
ヒルウラは、AI動画編集くんの導入から、社内で動画を回せる体制づくりまでをお手伝いする内製化の支援を、近日提供します。公式LINEで先行してご案内します。