動画編集を外に頼む時の指示書には、「目的と見る人」「長さと使う場所」「見せ方(参考の動画・字幕・音楽の決まり)」「素材と渡す物」「確認と期日」の5つを書きます。とくに抜けやすいのは、映してはいけない物、動画を使う場所、社内で確認する人などで、ここが抜けると、仕上がってから大きな直しが出やすくなります(高取の感覚です)。
この記事では、指示書に書く5つのこと、そのまま写して使えるひな形、抜けやすい項目、参考の動画の伝え方を書きます。書いているのは、株式会社ヒルウラ代表の高取です。ヒルウラは、人の編集チームで累計30,000本以上の動画を納品してきた会社で、お客様から受け取る素材と指示をもとに、会社の動画を編集しています。
指示書は、いつ、誰に渡す?
指示書は、依頼先が決まった後、1本ごとに、編集を始める前に渡します。依頼先を選ぶ前に準備しておく物(目的・参考の動画・本数など)とは別に、「この1本をどう作るか」を書いた紙です。依頼先の選び方と、選ぶ前の準備は、動画編集の外注で失敗しないためににまとめています。
| 渡す時 | 中身 | 誰が書くか |
|---|---|---|
| 依頼先を選ぶ時 | 目的、本数、毎月続けるか、予算 | 社内の窓口 |
| 1本ごと、編集の前(この記事の指示書) | その1本の目的・長さ・見せ方・素材・確認 | 社内の窓口(中身は撮った人や詳しい人に聞く) |
| 途中と完成の確認の後 | 何分何秒を、どう直すか | 社内の窓口(意見をまとめて) |
指示書を書くのは、社内で1人の窓口(依頼先とやり取りする人)に決めておきます。何人もがそれぞれ編集者に伝えると、指示がぶつかります。
指示書には、何を書く?

指示書に書くのは、次の5つです。全部を細かく決めていなくても構いません。決まっていない所は「未定。相談したい」と書いておく方が、空けておくより伝わります。
1. 目的と見る人
誰に見せて、見た人にどうなってほしいかを書きます。「会社の説明」だけだと、編集者はどこを長く見せるかを決められません。「初めて商談する会社の担当者に、3分で何をしてくれる会社か分かってほしい」のように書くと、どこを残し、どこを切るかが決まります。
2. 長さと使う場所
完成の長さと、どこで流すかを書きます。同じ素材でも、YouTubeに出すのか、商談で画面に映すのか、展示会で音を出さずに流すのかで、字幕の量や最初の数秒の作り方が変わります。広告に使う予定がある時は、それも書きます。音楽・写真・出ている人の使ってよい範囲は、使う場所ごとに決まっていることがあり、YouTubeで使ってよい物が広告でも使えるとは限らないからです。
3. 見せ方
参考にしたい動画、字幕の色や大きさ、音楽の雰囲気など、見せ方の決まりを書きます。会社で使っている字幕の形やロゴの出し方が決まっていれば、それを渡します。参考の動画の伝え方は、下の節で書きます。
4. 素材と渡す物
撮った動画の置き場所、ロゴ、使ってよい写真や資料を書きます。素材が何本あり、どれを使うのかも書きます。撮り直したり言い直したりした所があれば、「2本目の方を使う」のように書いておくと、編集者が迷いません。フォルダの分け方とファイルの名前の付け方は、動画の編集を頼む時の素材の渡し方にまとめています。
5. 確認と期日
社内で誰が確認するか、途中で一度見たいか、動画を使う日はいつかを書きます。使う日から逆に数えて、社内の確認にかかる日数も伝えておくと、間に合う進め方を相談できます。
そのまま使える、指示書のひな形は?
次の表を写して、右の列を埋めれば指示書になります。
| 項目 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 動画の名前 | 社内で呼ぶ名前 | 「会社紹介 2026年版」 |
| 目的 | 見た人にどうなってほしいか | 「初めての商談の前に、何をしてくれる会社か分かってほしい」 |
| 見る人 | 誰が見るか | 「取引を考えている会社の担当者」 |
| 完成の長さ | 何分くらいか | 「3分前後」 |
| 使う場所 | どこで流すか | 「YouTubeと、商談の画面。広告には使わない」 |
| 参考の動画 | 1〜2本と、どこが参考か | 「〇〇の動画の、字幕の大きさとテンポ」 |
| 字幕・色・ロゴ | 会社の決まり | 「字幕は白に黒の縁、ロゴは右上」 |
| 音楽 | 雰囲気と、使ってよい音楽か | 「明るすぎない曲。曲は選んでほしい(使ってよい曲か、使う場所で確かめてほしい)」 |
| 素材 | 置き場所と、使う物 | 「共有のフォルダの〇〇。使うのは2本目」 |
| 必ず残す所 | 切ってはいけない話 | 「社長の最後のあいさつ」 |
| 映してはいけない物 | 人・画面・場所・言葉 | 「3分10秒から映る、お客様の名前が書かれた画面」 |
| 確認する人 | 社内で誰が見るか | 「広報の〇〇(窓口)、最後に部長」 |
| 途中の確認 | 途中で一度見たいか | 「冒頭ができた時に一度見たい」 |
| 使う日 | 公開日・使う日 | 「11月20日の商談から使う」 |
ヒルウラが単発の編集をお受けする時も、素材、参考の動画、使う場所、希望の納期、ロゴなどお客様からお預かりする物、字幕や編集の決まりを共有していただいています。すべてそろっていなくても、見積もりの時に必要な物を一緒に整理します。
指示書で、抜けやすい項目は?
指示書を受け取って編集してきた経験から、抜けやすいと感じるのは次の項目です(高取の感覚です)。
| 抜けやすい項目 | 抜けると起きること | 書き方 |
|---|---|---|
| 映してはいけない物 | 完成してから、映ってはいけない人や画面に気づき、大きく直す | 撮った人が素材を見直し、何分何秒に何が映るかを書く |
| 使う場所 | 字幕が少なすぎる、音を出さないと伝わらない、などが後で分かる | 流す場所をすべて書く |
| 確認する人 | 完成後に初めて見た人が、方向から変えようとする | 最後に見る人まで書く |
| 音楽・写真の権利 | 使ってよい範囲が分からず、出せない | 使ってよい物と、使う場所を書く |
| 必ず残す所 | 大事な話が短く切られる | 「ここは切らない」と書く |
映してはいけない物は、撮った本人でないと気づかないことが多いので、撮った人に聞いてから書きます。お客様の名前が映った画面や、社内の資料が映り込んだ場面がよくあります。社外秘の物が素材に入っている時は、素材を送る前に、秘密を守る約束と公開の範囲を依頼先と確かめておきます。
音楽・写真・資料は、インターネットにあるという理由だけで使ってよい物にはなりません。使ってよいと確かめた物だけを渡し、どこで使うかも伝えます。
参考の動画は、どう伝える?
参考の動画は、「この動画みたいに」だけでなく、どこが参考なのかを書きます。1本の動画には、字幕、テンポ、音楽、色、話の順番など、いろいろな要素が入っているので、どこを真似したいかが分からないと、編集者はどこまで真似するかで迷います。
| 伝え方 | 例 |
|---|---|
| 参考にしたい所を1つずつ書く | 「字幕の大きさとテンポだけ参考。色は会社の色に」 |
| 参考にしたくない所も書く | 「効果音は少なめに。この動画ほど多くしない」 |
| 時間を書く | 「0分30秒からの、画面の切り替え方」 |
参考の動画が無い時は、「落ち着いた感じ」のような言葉より、「字幕は少なめ、音楽は小さく、話す人を大きく見せる」のように、具体的な所を書く方が伝わります。
指示書を渡した後は、どう進める?
指示書を渡したら、編集を始める前に、依頼先から分からない所を聞いてもらいます。指示書の中で、受け取った側が迷う所は、書いた側からは見えにくいからです。
ヒルウラでは、冒頭3分を編集した時点で必ず一度ご確認いただき、デザインやテンポの認識をそろえてから残りを進めています(3分に満たない動画は全編でご確認いただきます)。指示書に書ききれなかったずれは、ここで直せます。完成後は、動画のどの時間帯をどう変えたいかを共有していただき、社内のご意見をまとめてお知らせいただくと、進みが速くなります。直しの意見のまとめ方は、会社の動画を出す前の確認の流れに書いています。
よくある質問
指示書は、どのくらい細かく書けばいいですか?
まずは、上のひな形の項目が1行ずつ埋まっていれば足ります。細かく書きすぎると、大事な所が埋もれます。迷った時は、「映してはいけない物」と「必ず残す所」だけは、具体的に書いておきます。
企画や台本が無くても、編集を頼めますか?
1本ずつの編集のご依頼では、ヒルウラは企画・台本の作成をお受けしていないため、企画・台本や制作の方針をご用意いただいています。企画から一緒に決めたい時は、5本の買い切り(企画から5本をまとめて作るプラン)や、6ヶ月の動画運用(毎月の企画・撮影・編集を続けて任せるプラン)でご相談いただけます。プランの違いは料金表にまとめています。
毎回同じ指示を書くのが手間です。
毎回変わらない所(字幕の形・ロゴ・色・音楽の決まり)は、1枚の決まりにまとめて最初に渡し、1本ごとの指示書には変わる所だけを書きます。ヒルウラでも、編集の決まりと直しの記録をチームで共有し、担当が替わっても同じ基準で作れるようにしています。
指示書を書く前に相談してもいいですか?
構いません。何を決めればいいか分からない段階でも、動画の目的と使う日が分かれば、必要な物を一緒に整理できます。法人がYouTubeの編集を頼む時に決めておくことは、法人がYouTube編集を依頼する流れと料金にも書いています。
相談するには
ヒルウラは、会社の動画の編集を1本から請け負っています。料金は料金表にまとめています。どんな動画を、どこで使いたいかをフォームからお送りください。指示書がまだ無くても大丈夫です。
社内で動画を作れるようにしたい会社に向けて、撮った動画から字幕や効果音まで入った初稿(最初の編集版)をAIで作る道具「AI動画編集くん」も作っています。正式リリースの案内は公式LINEで先行してお送りします。